HBS3徹底解説ガイド

HBS3とは

HBS3 （Hybrid Backup Sync 3）は、QNAPが無償で提供するソフトウェアです。バックアップ、復元、同期機能をひとつのQTSアプリケーションとして統合しており、ストレージ障害などによるデータ復旧や災害対策ソリューションとして、ローカル、リモート、またはクラウドストレージサービスへのデータ保護機能を提供しています。新たに拡張された機能「QuDedup」は、データソース側（バックアップ元のQNAP）でデータの重複排除を行い、バックアップを実行することで、ネットワーク帯域の転送量とストレージ領域の消費を最適化し、ディスティネーション側（データ保存先）ストレージの利用効率を大幅に向上することができます。

バックアッププラン

HBS3を使用すると、ファイルデータは、RTRR（リアルタイムリモートレプリケーション）、Rsync、FTP、CIFS/SMBを用いて、ローカルのNAS、外部デバイス、クラウドストレージサービス、リモートサーバーなどとの間で同期が可能です。 3-2-1ルールという、重要なファイルの3つのコピーを2タイプのストレージに保存し、1つのコピーを離れた場所に保存することで、消失したデータや破損したデータを復元できる可能性を上げる考えが存在します。 HBS3を用いると、この3-2-1バックアッププランを包括的に実現することが可能となります。下記はバックアップの例です。

バックアッププランの例
3：3つのファイルとして、オリジナルファイルに加えて2つのコピーファイルを作成します。
2：2つの異なるストレージとして、QNAP NASとRemote ServerまたはCloudにコピーファイルを置きます。
1：1つはオフサイトとして、Remote ServerまたはCloudにコピーファイル②を置きます。
　
HBS3を用いることで、上記のようにリモートサーバやクラウドへの3-2-1バックアップルールも行うことができます。
また、他のサーバにもレプリケーションが可能となります!

QuDedupでバックアップ時間と保管領域を大幅に効率化！

QuDedup（重複排除）とは？

HBS3は、バックアップデータをソース側で重複排除する「QuDedup」テクノロジーを採用しています。重複排除によりバックアップデータのサイズが全体的に低減され、データ転送に必要な帯域とバックアップ時間、さらにバックアップ先の使用領域を削減することができます。

注：現在、QuDedupはx86ベースのIntelまたはAMDプロセッサを搭載したQNAP NASのみに対応しています。
　　QuDedupとのHBS3の使用感は、ファイルタイプ、ストレージ環境、ネットワーク環境によって異なることがあります。

QuDedupは、クライアントデバイス上でブロックレベルの重複排除とデータ暗号化をサポートしています。重複排除されたデータはパッケージ化され、「.qdff」ファイルに変換されます。 重複排除されたデータを保存したQNAP NASを使用して「.qdff」ファイルを表示するのではなく、使用中のPCクライアント（Windows、Ubuntu、Mac OS）にQuDedup解凍ツールをインストールして、重複排除されたバックアップファイルを元のファイルに復元します。