イミュータブルバックアップ作成手順
はじめに
前々回の記事ではWORM共有フォルダーの特徴を、前回の記事ではWORM共有フォルダーの作成手順を解説しました。
今回は、HBS 3を使用してWORM共有フォルダーへバックアップを取得し、イミュータブルバックアップを実現する手順をご紹介します。
事前準備
手順に入る前に、以下を確認しておきましょう。
・バックアップ先のNASに、WORM共有フォルダーが作成済みであること
・WORM共有フォルダーのロック方式が「手動ロック」に設定されていること
・保持期間の設定値を把握していること
・バックアップ元のNASにHBS 3がインストールされていること
本記事では、バックアップ先のNASがストレージ領域のリモートNASとして登録済みであることを前提としています。
ストレージ領域のリモートNAS登録方法については、HBS 3のマニュアルをご確認ください。
バックアップジョブの作成手順
手順1:バックアップジョブの作成を開始する
HBS 3を起動し、「バックアップ&復元」から「今すぐバックアップ」→「新しいバックアップジョブ」を選択します。

手順2:バックアップ元のフォルダーを選択する
バックアップ元となるフォルダーを選択します。

ここでは、ローカルNAS上の「backup-folder」を選択しています。
手順3:バックアップ先にWORM共有フォルダーを指定する
続いて、バックアップ先を選択します。リモートNASを選択し、作成済みのWORM共有フォルダーを指定します。

バックアップ元とバックアップ先を指定すると、以下のようにジョブの内容が表示されます。

ジョブ名や、バックアップ元・バックアップ先のパスに誤りがないかを確認し、「次へ」をクリックします。
手順4:スケジュールを設定する
バックアップを実行するスケジュールを設定します。

定期的にバックアップを取得する場合は「スケジューラー」を選択し、実行頻度を指定します。
手動で実行する場合は「スケジュールなし」を選択します。
このあと「ルール」の設定画面が表示されますが、フィルターや詳細設定は必要に応じて設定してください。WORM共有フォルダーへのバックアップにあたって、特別な設定は必要ありません。
手順5:ジョブを作成して実行する
設定内容を確認し、「作成」をクリックするとバックアップジョブが作成されます。
作成したジョブを実行すると、WORM共有フォルダーへバックアップが取得されます。

バックアップが完了すると、WORM共有フォルダーの中に「ジョブ名」→「実行日時」の順でフォルダーが作成され、その中にバックアップされたファイルが保存されます。
ロックについて
WORM共有フォルダーを「手動ロック」で作成した場合、通常はファイルを保存した後に読み取り専用属性を設定する必要があります。
ただしHBS 3でバックアップした場合は、この操作は不要です。バックアップされたファイルは、追加の操作をしなくても保持期間中は変更・削除ができない状態になります。
削除できないことを確認する
実際に、バックアップされたファイルを削除できないことを確認してみましょう。
NASのコンソールから管理者権限で削除を試みても、以下のように拒否されます。

なお、Windowsのエクスプローラーから削除を実行した場合、エラーは表示されませんが実際には削除されていません。画面を更新すると、ファイルが残っていることを確認できます。
運用上の注意点
イミュータブルバックアップを運用するにあたって、以下の点に注意してください。
保持期間中は容量が解放されない
保持期間が経過するまで、バックアップしたファイルを削除することはできません。
バックアップの頻度や世代数によっては、想定以上に容量を消費する可能性があります。保持期間とバックアップ頻度のバランスを考慮したうえで、必要な容量を見積もってください。
保持期間は後から短縮できない
前回の記事でも解説したとおり、設定した保持期間は延長できますが、短縮することはできません。
長すぎる保持期間を設定すると、その期間が終了するまで容量を解放できなくなります。
共有フォルダーやストレージプールの削除には対応できない
WORMによって保護されるのは、ファイル単位の変更・削除です。
共有フォルダーやストレージプールごと削除された場合は、ロックされたファイルも一緒に失われます。
ランサムウェア対策として運用する場合は、別筐体へのレプリケーションやオフラインバックアップなど、他の対策と組み合わせることを検討してください。
まとめ
HBS 3とWORM共有フォルダーを組み合わせることで、バックアップデータを変更・削除できない状態で保管するイミュータブルバックアップを実現できます。
バックアップ後に特別な操作を行う必要はなく、通常のバックアップジョブと同じ手順で運用できる点が大きな利点です。
ランサムウェア対策の一環として、ぜひご検討ください。